いまや大物YouTuber(登録716万人)のChris Ramsayチャンネルに,セロ(Cyril)氏が登場しました!
2023/9/16配信で,1週間のスペイン滞在に同行し,マジック仲間と一緒にセッション演技を見せてくれます♪
セロ タカヤマ氏はロサンゼルス生まれ,16歳で日本で貧困生活を送り,19歳でFISM横浜大会で受賞しました。
そして2004年のテレビ特番「マジック革命!セロ!!」で大旋風を巻き起こしました。
2004~2014年まで,火曜19時のゴールデンタイム(フジテレビ)で合計14回もセロ特番が放送されたのです。
【コラム】テレビとマジックブーム
2023年現在,民放テレビでは,大々的な「お茶の間番組」が急減しました。
マジック以外のジャンルも同様で「TV制作予算が減った,メイン視聴者層の高齢化などの要因」があります。
2010年代の激動で,スマホの普及や通信インフラの高速化とともに,テレビからインターネットに広告費(スポンサー)が移ったのです。
(2010年はスマホ比率たった4%)
YouTubeに芸能人が続々参入したのは2020年頃で,テレビ業界への忖度が薄れた時期でした。
それにともなってテレビ番組は,視聴率確保のため「中高年者向き生活番組」が増えました。
日本の年齢中央値は48歳で,彼らボリューム層をターゲットにして視聴率を稼ぐ方向性が加速したのです。
つまり「おしどり夫婦のインタビュー」「商店街巡り」など"48歳にウケる番組"です。
2021年にはインターネット広告費がマス広告費(テレビ・新聞・ラジオ・雑誌の合計)を上回りました。
通販番組が増えたのも,こうした広告収入減からのことです。
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さて,従来のマジックブームはテレビでのマジシャン活躍(Mr.マリック氏,セロ氏,前田知洋氏, Daigo氏etc)に大きく牽引されてきました。
今や,マスメディア主導のブームは期待できません。
執筆時現在,YouTubeではあたらしくん(新子景視), TikTokではマジシャン先生などがブーム牽引に寄与しています。
(もちろんセロ氏他の功労は生涯残るでしょう)
新子氏も2010年代のDaigo氏率いるメンタリズムブーム下でTVデビュー(ブレインダイブ)した世代でしょう。
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10〜20代の一般人(マジックをしない人)が名前を挙げられる有名マジシャンは少なく,危機感もあります。
今後はデジタルネイティブ世代(インターネット世代)が,持続発展的な自力ブームを起こせるかどうかが,盛衰のカギでしょう。
決して無理な話ではなく,たとえば音楽であればネットからスター誕生(Ado, Yoasobiなど)する時代です。